日曜夜の人気バラエティ番組『千鳥の鬼レンチャン』(フジテレビ系列)。プロ顔負けな歌うまな芸人や圧倒的な歌唱力を持つアーティストや芸人たちが賞金を懸けて鬼連チャンを目指す姿で人気を集める一方で、ネット上では「野次(ヤジ)やいじりがひどい」「いじめに見えて不快」といった声がたびたび上がります。かく言う私も小学生の子供が見たがるので番組をつけていますが、なんとなく聞こえてくるヤジやいじりに「そこまで言わなくても、、」と不快に感じることがしばしばありました。
特に、島谷ひとみさんをはじめとする実力派歌手の方に対する過激なツッコミには「なぜここまで言うのか?」「昨今のコンプライアンス的に大丈夫なのはなぜ?」と疑問に思いました。
この記事では、『鬼レンチャン』の過剰ないじり、野次、罵声は演出なのか、番組があえてその演出を続ける理由や、出演アーティストたちのリアルな事情について調べます。
『鬼連チャン』のいじりが「ひどい」と言われるのはなぜ?
番組を観ていて「見ていられない」「かわいそう」と感じる人が増えている背景には、主に以下のような理由があります。
- 実力派歌手に対する容赦ない野次 本来であればリスペクトされるべき大物歌手に対し、「落ち目」「調子に乗っている」といった過激な言葉が容赦なく浴びせられます。
- 失敗したときの煽りや過去のトラウマ弄り 音外しをした瞬間の表情を誇張したり、過去の失敗談を何度も蒸し返したりする編集・演出が「いじめのように見える」と不快感に繋がっています。
特に『亜麻色の髪の乙女』などで知られる島谷ひとみさんが出演した回では、彼女に対するスタジオ(千鳥・かまいたち)の言葉遣いが厳しく、SNS上でも「いくらバラエティでも度が過ぎているのでは?」と議論が巻き起こりました。私も視聴していましたが、歌手である島谷ひとみさんを知っているだけに、まるで芸人のように雑に扱われる彼女を見ていらせませんでした。
なぜ過激ないじりを放送する?番組側の4つの意図
ここまでコンプライアンスが厳しい現代のテレビ業界において、なぜフジテレビはこのような過激な演出を続けているのでしょうか。番組作りの狙いを見ていきます。
- 「真剣勝負」と「バラエティ」の落差を作るため ただ歌手が上手に歌うだけでは、純粋な音楽番組になってしまいます。スタジオから毒舌なツッコミを入れることで「緊張感」と「笑い」のギャップを生み出し、エンタメ性を高めています。
- 「見返してほしい!」と思わせるドラマ性(ヒール構図) スタジオ芸人をあえて「悪役(ヒール)」に立てることで、視聴者に「野次を吹き飛ばして成功してほしい!」と挑戦者を応援させるための演出。
- 芸人と出演者の「プロレス(信頼関係)」 画面上では理不尽に見えても、事前に「かなりキツいツッコミが入る」という番組の特性が共有されており、お互いに「おいしくいじられる」という暗黙の了解が成り立ってる、らしいです。そのように事前に打ち合わせされ出演者も納得の上での演出と理解すると腑に落ちます。
- 高い視聴率と話題性の獲得 他番組にはない「昭和・平成初期のような尖った毒舌」を残すことで、賛否両論を呼び、SNSでの拡散やトレンド入りを狙う戦略でもあります。
毒舌を売りに人気を博するのは有吉さんや坂上忍さんも然り、の王道ということでしょうか。
コンプライアンス的にはOK?テレビが示す「今の基準」
「いじめに見える演出はコンプライアンス違反ではないのか?」という疑問ですが、結論から言うと「現状の法律や業界基準ではセーフだが、かなりギリギリの境界線」を攻めています。
テレビ番組におけるコンプライアンスとは、法律だけでなく「人権の尊重」や「公序良俗」などの放送倫理を守ることも含まれます。テレビ局は直接ルールブックを提示しませんが、「テロップによる注意書き」や「消えていく過激な罰ゲーム」、あるいはBPO(放送倫理・番組向上機構)の審議などを通じて、視聴者に「今の時代のセーフとアウトの境界線」を暗黙のうちに示しています。
『鬼レンチャン』がこの基準をクリアできているのは、以下の仕組みがあるためです。
- 事前の出演合意: 出演者と事務所が過激な演出に同意している。
- 直接的な暴言ではない: 本人の目の前ではなく、モニター越しの「芸人のガヤ・ツッコミ」というワンクッションを置いている。
- バラエティの記号化: ポップなテロップや笑い声(SE)を足して「これはお笑いです」とアピールしている。
出演する歌手のメリットと「華原朋美さん降板」のリアル
確かにいじられておいしい思いをする、というのは芸人にはとてもよく当てはまると思います。ほいけんた、たむたむ、「いけちゃん」ことSTU48池田裕楽さんなどは芸人寄りなのでいじりや罵声も「愛あるつっこみ」として見ていられましたし、そのおかげで世間から注目されることに成功しました。
「酷い言われ方をしてまで、なぜ歌手は出演するのか?」という点について、島谷ひとみさんのような方にとっては「圧倒的な知名度の再獲得」や「親しみやすさの獲得」という大きなプロモーションのメリットがあります。
しかし、その一方で番組の「おいしさ」と引き換えに、大きな代償を払うケースもあります。その象徴的な出来事が、華原朋美さんの番組卒業(降板)です。
華原さんは同番組で豪快なキャラクターを披露し大きな話題を呼びましたが、後に自身のSNSで「番組プロデューサーに今後は出演しない旨を報告した」と公表しました。
- 「バラエティではなく、歌手として頑張りたい」という葛藤
- ネット上の心ない批判やバッシングによる精神的負荷
華原さんの事例は、番組の「毒のあるイジり」が知名度を爆発的に引き上げる一方で、アーティスト本人のブランドや精神面に大きな負荷をかけることになりました。
まとめ:演出と分かっていても不快なときは
『千鳥の鬼レンチャン』における「ひどい」と言われるいじりや野次は、過激な演出によって視聴者の感情を揺さぶり、番組を盛り上げるための計算された番組演出です。
しかし、華原朋美さんのように実際に苦悩を抱える出演者もいることや、視聴者側が「見ていて胸が痛む」「笑えない」と感じるのは決して間違いではありませんし、個人的に愛あるいじりの方が見たいです。
バラエティのノリだと分かっていても不快に感じた場合は、無理に観ずにチャンネルを変えるなど、自分なりの心地よい距離感でテレビと付き合っていくのがベストと言えるでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました!



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